あたしの心が、水面のようにキラキラと波打った。
そして足が、自分の想いのように彼へと駆け寄る。
あたし達は両手をしっかりと握り合い、お互いに向き合った。
・・・・・・。
見つめ合い、手を伸ばし、触れ合える。
この望むべくもないほどの奇跡。
「精一杯を生きるあのふたりにも、僕はこの奇跡を知って欲しいと思う」
「うん。あたしも」
きっとどこかに道はある。だから諦めない。
あたしが親友としてお岩さんを支えるんだって、あんなに決意してたのに。
途中で諦めてしまうところだったよ。
「やっぱり、あたしひとりじゃダメだね」
「だからこそ、僕たちは永遠に離れないと誓ったんだ」
「うん。そばにいれば無敵。だもんね」
「その通りだ。だから・・・」
門川君はあたしの両手をしっかりと握りしめ、あたしの目を真っ直ぐ見つめて言った。
「僕は君に結婚を申し込む」
「・・・・・・」
・・・・・・。
・・・・・・はい?
なんですと?
「君を結婚相手に選んだことを、僕は正式に公表するつもりだ」
「・・・・・・」
あたしの頭が一瞬で真っ白に染まり、呼吸が一発で停止した。


