神様修行はじめます! 其の四


あたしの心が、水面のようにキラキラと波打った。


そして足が、自分の想いのように彼へと駆け寄る。


あたし達は両手をしっかりと握り合い、お互いに向き合った。


・・・・・・。


見つめ合い、手を伸ばし、触れ合える。


この望むべくもないほどの奇跡。


「精一杯を生きるあのふたりにも、僕はこの奇跡を知って欲しいと思う」


「うん。あたしも」


きっとどこかに道はある。だから諦めない。


あたしが親友としてお岩さんを支えるんだって、あんなに決意してたのに。


途中で諦めてしまうところだったよ。


「やっぱり、あたしひとりじゃダメだね」


「だからこそ、僕たちは永遠に離れないと誓ったんだ」


「うん。そばにいれば無敵。だもんね」


「その通りだ。だから・・・」


門川君はあたしの両手をしっかりと握りしめ、あたしの目を真っ直ぐ見つめて言った。


「僕は君に結婚を申し込む」


「・・・・・・」


・・・・・・。


・・・・・・はい?


なんですと?


「君を結婚相手に選んだことを、僕は正式に公表するつもりだ」


「・・・・・・」


あたしの頭が一瞬で真っ白に染まり、呼吸が一発で停止した。