神様修行はじめます! 其の四


あたしは、そらしていた視線を彼に真っ直ぐ向けた。


彼の目が、あたしを責めるように見ている。


そんな目で見られて、あたしは自分の気持ちを抑えきれなくなった。



なんで・・・なんで、そんなこと言うの? 


あたしが責められなきゃならないの?


平気なわけないでしょ?

平気じゃないから、だから、あたしはこんなに悩んでいるのに。


なのに・・・・・・。



不満。不安。怒り。わだかまり。


そんな感情が体の奥の方から、ジリジリとあたしを蝕んでいく。


抑えようとするフタを押しのけて、外へと飛び出そうとしている。


あぁ、言ってしまいそうだ。今にも口に出してしまいそう。


あたしは歯を食いしばり、心の中で吐き出した。



『誰のせいだと思ってるの?』



「平気なのは、門川君の方じゃないの?」


なんとか、その程度のセリフでとどまった。


本当はこんな嫌味みたいなことも言いたくはないけれど。


少しぐらい言ってやらなきゃ、ガス爆発をおこしそうだったから。



でもそれが伝わるはずもなく、門川君は、ぶ然とした顔で反論してきた。



「平気なものか。僕は君に、いつも一緒にいて欲しいと言っているだろう?」


「・・・そうだね」


「君は大切な存在だ。なのに、君の方こそ・・・」


「あたしが、なによ?」


「・・・いや、なんでもない。忘れてくれ」


「言いかけて途中でやめないでよ。そういうの、ハッキリ言って気分悪い」