そう叫んだあたしは、勢いよく立ち上がって駆け出した。
そして門川君の術陣から出た途端、具合が悪くなって砂地にバタッと倒れてしまった。
「天内君!」
砂に顔を突っ込んだ状態で、門川君の声を聞く。
「君には学習能力というものが皆無なのか!?」
そ、そうだ。忘れてた。
完治しないうちに治癒の陣から出ると、こうなっちゃうんだっけ。
でも絹糸は動けないし、門川君も精神集中でそれどころじゃない。
あたしが行かなきゃならないんだ!
顔についた砂をブルブルと払い落とし、あたしは砂の上に四つん這いになる。
そして浄火に向かってジタバタと移動を開始した。
途端にグッと吐き気がこみ上げ、その場にへたり込んでしまう。
気持ち・・・悪い。体の中を毒素が、血液に乗って巡っているのが分かる。
筋肉に全然力が入らない。ほんの少しの動作が、こんなに辛いなんて。
視界がグルグル回って定まらなくて、体を真っ直ぐに支えることすら難しい。
頭、痛い。体中、あちこち、痛い・・・。
へたり込んだまま、それでもあたしは歯を食いしばる。
言うことを聞かない両手足をズリズリ動かし、前へ進んだ。
ま、負けるか! 毒なんか、根性さえあればなんとかなる! たぶん!
滅火の術が使えない今、あたしにあるのは気力と体力!
あと精神力と、知力も学力も総動員して、この窮地から脱却してみせるとも!
気持ちを奮い立たせて、あたしは前進を試みた。
でも、体がそれについていかない。
治まっていた熱が急激に上がってきて、また全身の汗腺から汗がドッと噴き出す。
心臓がバクンバクン破裂しそうに鳴って、ものすごく息苦しい。
ていうか、息が、うまく吸えない。これも毒のせいなの?
瞬く間に酸素が欠乏して、目の前がチカチカしてきた。
体、痺れる・・・。熱のせいで熱いのに、寒い・・・。


