同じように地に倒れ、それでも仲間によって救われるあたし。
誰の助けも得られず、独りぼっちで死んでいく彼女。
ふたつの視線が重なり合った。
あたしはポロポロ涙を流しながら、食い入るように彼女を見つめていた。
あのどこまでも哀しい人が死にゆく様を、せめて心に刻み付けたい。
解けて乱れた、美しかった黒髪を。
白い陶器のような、血の色が失せていく頬を。
閉じる寸前の目を覆う、長く豊かなまつ毛を。
彼女の命がこの世界から消え去る瞬間まで、せめて、その想いを。
この人は確かにここに存在していたのだと、この胸に・・・。
・・・・・・・・・・・・。
ふと、胸に疑問が湧いた。
何か違和感を感じる。あたしの心が不穏に騒いでいる。
何かが引っ掛かるんだ。何かが、おかしい?
・・・いったい何が?
不安にさざめくその理由を知ろうと、あたしの目線が慌ただしく動く。
そして信子長老の唇を見た時、心臓がドクンと鳴った。
なぜなら、もう紫色に変色してしまったその唇が・・・
・・・・・・・・・・・・
笑って、いたから。
―― ドスッ!
「・・・!?」
体を不自然に折り曲げた浄火の目が、大きく見開かれた。
あたしはポカンと口を開いて、彼の背中を見つめた。・・・いや。
彼の背中から隆々と突き出している、赤い血に染まった、鋭く尖った槍の穂先のようなものを。
「ぐ・・・・・・」
浄火の口から、苦悶の声と一緒にゴポッと鮮血があふれ出る。
そしてあたしの口からは、悲鳴が上がった。
「浄火ーーーーー!?」


