神様修行はじめます! 其の四


愛する人が自分の名を呼ぶ声に、答えることもできず。


お岩さんは白い両足を思い切りバタつかせる。


その足も、掴まえられて・・・・・・


あぁ、もう、見ていられない!


あたしは頭を抱えてしゃがみ込み、ひたすら泣き叫ぶより無かった。


嫌だ! こんなのは嫌だーー!


どうしてこんな残酷な事が、現実に起こるの!?


絶対に絶対に、間違いなく絶対に、これは許されない行為なのに!


なぜあたしは、それを止めることも出来ないほど無力なの!?


畳の擦れる音を


荒い息遣いを


すすり泣く声を


これからお岩さんに与えられる非道な行為を・・・


塞いだ耳のすき間から聞いているしかないなんて!


これでもあたし、お岩さんの親友なの!?


これでも仲間っていえるの!?


仲間なのに! あたし達は確かに仲間なのに!


仲間な・・・の、に・・・・・・


「・・・・・・・・・・・・!」


あたしの頭に、まるで天啓のように一条の光が差し込んだ。


まさに、天の啓示。息が止まるほどの衝動に、虚しく泣き喚いていた声もピタリと止む。


考える間もなく、あたしはすかさず飛び上るほどの勢いで立ち上がった。


そして肋骨の限界まで、無我夢中で息を吸い・・・


カッと目を見開き、天を仰ぎ、一世一代の大絶叫を放った。


「ハインリッヒぃぃぃーーーーー!!!」


・・・来おぉぉぉーーーーーい!!


あたし達の新たな仲間のマンモス!


お岩さんを守る親衛隊員ーーーーー!!