「つまりお前は、当主様の偽者じゃ。わしは忠臣として、お前を成敗せねばならぬのぅ」
カラカラと声高に笑って、じじぃはゲホゲホ咳き込む。
その、人をさも小バカにした笑い声の、憎たらしさときたら!
あたしは思わず結界を拳で殴りつける。
怒りに任せた鉄拳は、虚しく膜に飲み込まれて力を失った。
こんの、じじぃめ! そうか、そういう筋書きか!
島で次々と起こる不審な出来事。その島へと渡った、あたし。
それを知った門川君が、常世島もあたしも放置するはずがない。
凍雨くんを替え玉にして、彼がこの島へ来ることも全部お見通しだったわけか!
それを利用して、彼を亡き者にしようとしてるんだな!?
さも自慢げに語ってるけど、それもどうせ因業ババの策略なんでしょ!?
「じゃが、それは後じゃ。今はまず、この娘に子種を仕込まねばならぬのでな」
ジタバタと暴れるお岩さんを、じじぃが部屋の中へ連れ込む。
お岩さんの匂いをクンクン嗅ぎながら、ウットリとつぶやいた。
「おお、この漲る生命力。これぞまさに大地の力。さぞや優秀な子が生まれるであろう」
「嫌! 嫌! 嫌!」
「ずっとお前に狙いをつけておったのじゃ。ようやく手に入れたぞ」
「・・・・・・!」
ペロリと頬を舐められ、お岩さんが顔を硬直させてブルルッと震える。
ショックのあまりに力が抜けた隙に、布団の上にドサリと押し倒されてしまった。
じじぃの体が、お岩さんの体に覆い被さる。
「ヤメてーーーーー!」
あたしは真っ青になって金切り声を上げた。
「あんた、それでも人間なの!?」


