「遥峰! みんな!」
あたし達に助けを求めていたお岩さんが、ついに力任せに柱から引き剥がされてしまった。
「きゃあああ! 嫌ー!」
「もう観念せい! さあこっちへ来るがよい!」
「おいコラこの真正変態め! お岩さんから離れろぉ!」
あたしは夢中で、目の前のふたりに駆け寄ろうとした。
でも結界の膜がヌプヌプとそれを阻む。
ものすごく重苦しい感触。本当に泥沼の中に頭から突っ込んでいるみたい。
体を強力なゴムバンドで縛られているみたいに、全然自由がきかない。
それでも歯を食いしばり、あたしは全身に力を込めて前に進もうとした。
うぐうぅぅー! ま、負けるかあぁぁー!
「放して! この手を放さないと許しませんわよ!?」
体をくの字に折り曲げ、髪を振り乱してお岩さんは抵抗する。
でも子作りマシーンは、お岩さんの胴をガッシリ両腕で抱えて難なく引きずっていった。
なんなのよその、じじぃにあるまじき漲る体力は!
「許しをもらう必要などない! わしはお前に、子を産ませる権利がある!」
・・・なに言ってんのよこのバカじじぃ!
権利だぁ!? あんたみたいな外道にはね、基本的人権すら無いのよ!
「いい年して孫娘みたいな女の子に手を出すなんて、この恥知らず!」
もがきながら怒鳴りつけるあたしに、子作りマシーンは平然と答えた。
「一番強いオスが、より若く美しいメスを手に入れる。それは自然の摂理じゃ!」
「あんたのどこが一番強いオスだって!?」
最低さの度合いで言えば、確かにあんたはナンバーワンだけど!


