神様修行はじめます! 其の四


「遥峰! みんな!」


あたし達に助けを求めていたお岩さんが、ついに力任せに柱から引き剥がされてしまった。


「きゃあああ! 嫌ー!」


「もう観念せい! さあこっちへ来るがよい!」


「おいコラこの真正変態め! お岩さんから離れろぉ!」


あたしは夢中で、目の前のふたりに駆け寄ろうとした。


でも結界の膜がヌプヌプとそれを阻む。


ものすごく重苦しい感触。本当に泥沼の中に頭から突っ込んでいるみたい。


体を強力なゴムバンドで縛られているみたいに、全然自由がきかない。


それでも歯を食いしばり、あたしは全身に力を込めて前に進もうとした。


うぐうぅぅー! ま、負けるかあぁぁー!


「放して! この手を放さないと許しませんわよ!?」


体をくの字に折り曲げ、髪を振り乱してお岩さんは抵抗する。


でも子作りマシーンは、お岩さんの胴をガッシリ両腕で抱えて難なく引きずっていった。


なんなのよその、じじぃにあるまじき漲る体力は!


「許しをもらう必要などない! わしはお前に、子を産ませる権利がある!」


・・・なに言ってんのよこのバカじじぃ!


権利だぁ!? あんたみたいな外道にはね、基本的人権すら無いのよ!


「いい年して孫娘みたいな女の子に手を出すなんて、この恥知らず!」


もがきながら怒鳴りつけるあたしに、子作りマシーンは平然と答えた。


「一番強いオスが、より若く美しいメスを手に入れる。それは自然の摂理じゃ!」


「あんたのどこが一番強いオスだって!?」


最低さの度合いで言えば、確かにあんたはナンバーワンだけど!