た、斃すのみって、そんな!
「セバスチャンさん待って! 島の人たちは別に、悪者ってわけじゃないんだって!」
「あんた、何するんだ! みんなを放せよ!」
あたしと浄火の必死の叫びも、セバスチャンさんは全く意に介さない。
表情も変えずに淡々と反論する。
「彼らの善悪など、このさい問題ではありません。いま問題なのは・・・」
パチンと、彼の指先が鳴った。
「ジュエル様を、いち早くお助けすること。その障害となる物は、わたくしめが取り除きます」
「うわああぁぁ!」
吊り上げられている村人たちが、揃って恐怖の悲鳴を上げた。
あっという間に、十階分くらいの高さまでスルスルッと持ち上げられていく。
まさか、あの高さから叩き落とすつもり!?
うわあ! だからダメだってばセバスチャンさん!
「やめてセバスチャンさん!」
「よせ! 頼むからやめてくれー!」
「・・・・・・・・・・・・」
無言のセバスチャンさんの指が、また鳴らされようとしたその時・・・
―― ズゴーーン!
・・・・・・へ!?
村人たちの頭の上に、天から次々とデカイ氷の塊が落下して激突した。
全員、白目を剥いてグタッと気絶してしまう。
あたし達は呆気にとられて、その光景を見上げていた。
「これで充分、事足りるだろう。セバスチャン、彼らを下ろしてくれ」
「・・・・・・承知いたしました。永久様」


