神様修行はじめます! 其の四


黒い煙の幕の陰に、白い輝きが強烈に放たれる。


同時に、頬の肉が引っ張りあげられるほどの突風が足元から起こった。


―― ゴオォォォッ!


鼓膜を震わす風成りの共に、煙も土砂も、全部上空に巻き上げられていった。


お蔭で視界が晴れて、周囲の状況が確認できる。


あちこちに仲間たちが散らばって倒れていた。


門川君が片ヒザ立ちで印を組みながら、じっと前方を見据えている。


その視線の先には・・・


同じように印を組み、こっちを睨んでいる村人の姿が!


あの人、神の一族の能力を発動している!


なんてこと! 水を飲んでしまったんだ!


「オレ達の邪魔はさせない! よそ者め!」


叫ぶ村人の気が一気に高まる。


その足元から、ドドドッッと一直線に地面がさく裂した。


土片を撒き散らし、地割れのような爆発が、門川君へ向かって真っ直ぐ襲い掛かる。


「門川君ーーー!」


―― キ・・・ン!


血相変えて叫ぶあたしの目の前で、門川君の全身が半透明の膜に覆われた。


土砂や爆発の勢いが、すべて彼の手前で完全に跳ね返される。


マロさんが地面に引っくり返りながら、懸命に結界術を発動していた。


「マロさん! ありがと・・・」


あたしの言葉は爆発音によって掻き消された。


四方八方から上がる爆発音。


爆風に押され、仰け反る目の前に現れた結界の壁。


守りの壁が爆発の威力から、身を守ってくれた。