入り口付近に、門番らしい村人の姿が数人見える。
みんなこっちを見ながら立ち尽くしていた。
きっと絹糸としま子の姿を見てビックリしてるんだ。無理も無い。
でも大丈夫だよ! あたし達は怪しい者じゃないからね!
「すいませーん! ちょっと村の中、通らせてもらいまーす!」
警戒心を解くために、あたしは片手を上げてブンブン振り回しながら挨拶した。
「急いでるんだ! 悪りぃ、このまま通るぜ!」
浄火も村人を安心させようと叫んだ時・・・
―― ドオォォ・・・ン!
突然、あたし達の真横の地面がさく裂した。
まるで爆弾でも爆発したかのように、大量の土煙と土砂が高々と空に舞う。
不意に食らった風圧で、あたし達は横っ飛びに飛んだ。
「きゃああぁ!?」
放り出されたあたしは地面にゴロゴロと転がってしまう。
い、痛ててて・・・! なにこの爆発!
―― ドオォン! ド・・・ン!
続けざま、あたし達の周囲を取り囲むように爆発が連発した。
あたりは黒い煙で覆われ、ドシャドシャと土砂が(いや、シャレじゃなくて!)上から降ってくる。
起き上がることもできず、頭を両腕で覆いながらあたしは身を縮めた。
なんも見えない! 門川君、どこ!?
『不可視なる者、可視なる者の身に証を刻む。高きより下、またその逆もしかりて動け、触れ得ぬ者』
心の声に答えるように、彼の言霊が響いた。


