神様修行はじめます! 其の四


「永久様、状況は?」


「飲み込まれる前に、毒にやられたな。だが大丈夫だ、すぐ回復する」


門川君の言葉が終わらないうちに、絹糸としま子がモゾモゾ動き出した。


「うぅ・・・」


「絹糸、意識が戻ったか?」


「・・・永久か。無事じゃったのか?」


「それはこちらのセリフだ。絹糸、ぬかったな」


「岩が連れ去られて、気を取られてしまった。いやはや、貴重な体験をさせてもらったわい」


絹糸はプルプルと体を振り、伸びをする。


そしてセバスチャンさんに目を向けた。


「遥峰、すまぬ。岩が・・・」


「承知しております。どうぞ、お気に病まれませぬように」


セバスチャンさんは目礼し、静かに答える。


「ジュエル様は、必ずやわたくしめが無傷で救い出しますので」


「浄火君、長殿、蛟一族の長老が向かった場所に心当たりはないだろうか?」


治癒の術を終えた門川君が、浄火と長さんに尋ねた。


聞かれたふたりは、すぐに顔を見合わせてうなづき合う。


「蛟一族専用の、屋敷がある」


「行くとすれば、きっとその屋敷だ。案内する」


よし、そこに行こう! お岩さんを助けなきゃ!


あたし達は出口に向かい、急いで移動を始めた。