神様修行はじめます! 其の四


衝撃映像に目を背けていると、ツタがヘビの中から何かを引っ張り出してきた。


ドロリとした液体に包まれた、生々しいふたつの物体。


それは変化した姿でグッタリしている絹糸と、同じように気を失っているしま子だった。


良かった! ふたりとも無事だったんだ!


「無事に救出いたしました。永久様、お願いいたします」


「ご苦労だったセバスチャン」


吐き気を堪えているあたしとは対照的に、ふたりの声は淡々としている。


門川君は平然と治癒の術を発動し始めた。


マロさんと、長さんと、主さんが、ヘビを遠まわしにしながら急いでこっちに近寄ってくる。


皆がヘビから離れたのを確認して、またセバスチャンさんの指がパチンと鳴った。


それを合図に、ヘビを押さえつけていたツタが、一斉に地面の中に引っ込む。


―― ブチブチブチィ・・・!


当然ヘビの頭と尾は、ツタが締め付けていた部分から容赦なくブッタ切れてしまった。


ひぃぃ、ヘビの小口切り状態だ・・・。


ヘビの血とか、肉片とかが、飛び散ってビシャビシャと結界の壁に当たった。


そのあまりのグロさに、みんな顔を歪めている。


あたしは口を手で覆って顔を背けた。


セバスチャンさんは眉ひとつ動かさずに、座った目付きで平然と眺めてる。


やっぱりこの人、本気で頭にきてるよ。


ちょっと子作りマシーン、あんた、この世で一番まずい相手を怒らせちゃったよ?


自業自得だけど。