衝撃映像に目を背けていると、ツタがヘビの中から何かを引っ張り出してきた。
ドロリとした液体に包まれた、生々しいふたつの物体。
それは変化した姿でグッタリしている絹糸と、同じように気を失っているしま子だった。
良かった! ふたりとも無事だったんだ!
「無事に救出いたしました。永久様、お願いいたします」
「ご苦労だったセバスチャン」
吐き気を堪えているあたしとは対照的に、ふたりの声は淡々としている。
門川君は平然と治癒の術を発動し始めた。
マロさんと、長さんと、主さんが、ヘビを遠まわしにしながら急いでこっちに近寄ってくる。
皆がヘビから離れたのを確認して、またセバスチャンさんの指がパチンと鳴った。
それを合図に、ヘビを押さえつけていたツタが、一斉に地面の中に引っ込む。
―― ブチブチブチィ・・・!
当然ヘビの頭と尾は、ツタが締め付けていた部分から容赦なくブッタ切れてしまった。
ひぃぃ、ヘビの小口切り状態だ・・・。
ヘビの血とか、肉片とかが、飛び散ってビシャビシャと結界の壁に当たった。
そのあまりのグロさに、みんな顔を歪めている。
あたしは口を手で覆って顔を背けた。
セバスチャンさんは眉ひとつ動かさずに、座った目付きで平然と眺めてる。
やっぱりこの人、本気で頭にきてるよ。
ちょっと子作りマシーン、あんた、この世で一番まずい相手を怒らせちゃったよ?
自業自得だけど。


