「コイツは見ての通り、神格化しちまってるんだよ! そんなのが八つ分じゃあ、あたしの手に負えないよ!」
「そんなあぁぁ!」
異形というより、ほぼ神獣ってこと?
そのくせあんなジジィに操られちゃうなんて、どんだけ低レベルな神獣?
どうやら八つの頭と八つの尾は、それぞれが意思を持って蠢いているらしい。
天井も、壁も、地面も、好き放題に体当たりしながら破壊してる。
絶え間ない振動。
砕かれた岩盤がバラバラと落下する音。
・・・これじゃ洞窟が崩れちゃうよ! あたし達、生き埋めになる!
そんだけバカでかいオツムの中に、脳みその容量はどんだけよ!?
「ねえ! うちの神獣と赤鬼は!?」
あたしはマロさん達に確認した。
「絹糸もしま子も、お岩さんを助けるために後を追っているんだよね!?」
「違うんだよ!」
間髪置かずに主さんが答えた。
「あいつら、揃って飲まれちまったんだよ!」
「え!? しま子が何を飲み込んだって!?」
「だから、ふたり共、ヘビの腹ん中だよ!」
「・・・・・・・・・・・・」
はぁぁぁーーーーー!?
「あいつら、ヘビに丸飲みされちまったんだよぅ! 助けてやっておくれよぅ!」
主さんがせっぱ詰った声で哀願した。
た・・・助けに行ってるんじゃなくて
助けが必要な状況なわけ!?


