「結婚話と小娘。不可解で未知なるもの。その弱点ふたつを、永久は同時に攻められてしもうたのじゃよ」


「・・・ムカつきますね。ババァ・・・」


「ババァとはいえ、信子は侮れぬ相手じゃ」


「ところで常世(とこよ)島って、なんなんですか?」



凍雨くんが、おソバをふーふー冷ましながら質問した。


「ぼく、聞いたことないです。そんな島があるんですか?」



お岩さんと塔子さんが、不機嫌そうな顔を見合わせる。


そして、ものすごくムスゥッとした声を出した。



「典雅、説明してやってくれない?」


「あの島のことなんて、わたくしも忌々しくて口に出すのも嫌ですわ」


そう言って八つ当たりのように盛大な音をたて、ソバを啜った。


そんなふたりの様子に首を傾げる凍雨くんに、マロさんが説明を始める。