それにしても、このツタでどうやって上まで行くんだろ?
見れば門川君や浄火は、近づいてきたツタに気おくれする様子もなく腰掛けた。
そしてそのまま素直に、すぅっと上へあがっていく。
その様子をあたしは感心しながら見上げた。
ほおぉ、なるほどなるほど! つまりスキーリフトの要領ね!?
オッケー分かった! カモーン、ツタ!
近付いてきたツタに、あたしは後ろ向きになってお尻をひょいと乗っけた。
―― ・・・ゴンッ!
そしてそのまま素直に引っくり返って、地面に頭を打ちつけた。
痛い・・・。後頭部が。
や、やだ。バランス崩して倒れちゃったよ。んもー、あたしってば恥ずかしー。
照れ隠しにひとりで笑いながら再チャレンジ。
カモーン、ツタ!
―― ・・・ゴンッ!
カ、カモーン! ツタ!
―― ・・・ゴンッ!
・・・・・・・・・・・・。
「なんなのいったい!」
なんであたしだけ、こんなに失敗すんの!? 門川君たちは簡単に乗れてるのに!
「天内のお嬢様、お早くお願いいたします」
後頭部を手でさすりながらツタを睨むあたしに、セバスチャンさんがニコリと微笑む。
微妙な黒さが漂うその微笑みに、あたしは確信した。
・・・これ、ワザとだ絶対。
トホホ。やっぱり復讐されてしまった。この程度で済んだのは不幸中の幸いだけど。


