神様修行はじめます! 其の四


あたしと門川君と浄火は、お互いの顔を見合わせた。


・・・ちょっと嫌な予感がする。


あの男、まーた何かとんでもない事やらかしたんじゃないでしょうね?


まさかみんな、それに巻き込まれちゃったとか・・・?


「何か、不測の事態がございましたか?」


セバスチャンさんが、あたし達の顔色を見て不穏な空気を察したらしい。


一瞬で顔つきが緊張する。


お岩さんの身を案じているらしい彼に、慌ててあたしは言った。


「絹糸もついてるしさ。主さんもいるし、お岩さんは大丈夫だよ」


「セバスチャン、事態は少々複雑なんだ。説明は後でする」


「承知いたしました。まずは皆様を探して合流いたしましょう」


うん。いつまでもここに居てもしかたないし。


とにかく上に戻ってみんなを探そう。それが最優先だ。


セバスチャンさんの言葉に、みんな同意してうなづいた。


それを見たセバスチャンさんが、右手を頭上に掲げて指をパチンと鳴らす。


と、音を合図に極太のツタが三本、地面を突き破ってニョキッと顔を出した。


「皆様、このツタで地上に参りましょう」


長いツタが生き物みたいにウネウネとこっちに接近してくる。


あたしはビビッて、後ろにズリズリ後退してしまった。


なんかこれって緑色のヘビに見える。超巨大なアオダイショウだ。


もう今回はあたし、どこまでもニョロ長系に祟られる運命な気がする。