あたしと門川君と浄火は、お互いの顔を見合わせた。
・・・ちょっと嫌な予感がする。
あの男、まーた何かとんでもない事やらかしたんじゃないでしょうね?
まさかみんな、それに巻き込まれちゃったとか・・・?
「何か、不測の事態がございましたか?」
セバスチャンさんが、あたし達の顔色を見て不穏な空気を察したらしい。
一瞬で顔つきが緊張する。
お岩さんの身を案じているらしい彼に、慌ててあたしは言った。
「絹糸もついてるしさ。主さんもいるし、お岩さんは大丈夫だよ」
「セバスチャン、事態は少々複雑なんだ。説明は後でする」
「承知いたしました。まずは皆様を探して合流いたしましょう」
うん。いつまでもここに居てもしかたないし。
とにかく上に戻ってみんなを探そう。それが最優先だ。
セバスチャンさんの言葉に、みんな同意してうなづいた。
それを見たセバスチャンさんが、右手を頭上に掲げて指をパチンと鳴らす。
と、音を合図に極太のツタが三本、地面を突き破ってニョキッと顔を出した。
「皆様、このツタで地上に参りましょう」
長いツタが生き物みたいにウネウネとこっちに接近してくる。
あたしはビビッて、後ろにズリズリ後退してしまった。
なんかこれって緑色のヘビに見える。超巨大なアオダイショウだ。
もう今回はあたし、どこまでもニョロ長系に祟られる運命な気がする。


