ひいぃぃぃ~~・・・。
ツ、ツタの先っぽがこっち向きながら、グネグネ蠢いて威嚇してるうぅ~~。
最終兵器が怒ってるぅ~~。
背中にダラダラ冷や汗をかいて声も出せないあたしに代わり、門川君が答えてくれた。
「岩さんなら、皆と一緒に上に居るはずだ」
「上でございますか?」
「崩れた橋の手前で、僕達が戻るのを待っているんだ」
「はて? 上には、どなたもいらっしゃいませんでしたが?」
セバスチャンさんとツタの先っぽが、一緒に首を傾げた。
「この場所に出てくるまで、片っぱしからあちこちの場所に穴を開けてジュエル様を探しましたが・・・どなたの姿も見ませんでした」
片っぱしから穴ってあんた、そんな乱暴なマネしたんかい!?
洞窟が崩落したらどーすんのよ!
ほんとこの人って、いざとなるとやる事が全部ムチャクチャなんだから!
「いない? それは変だな?」
今度は門川君が首を傾げる。
「僕達を置いて、どこかへ行ってしまうはずがない」
確かに門川君の言う通りだ。
みんな心配してあたし達の事を待っててくれてるはずなのに。
なんで誰もいないの?
「おい、あんた。誰もいないって、戌亥もいなかったのか?」
浄火が近づいて来て、不安そうな声でセバスチャンさんに聞いた。
「戌亥様? はて、どちら様にございましょう?」
「この島の住人で、オレの幼なじみなんだ」
「前髪がパッツンの、お菊人形ソックリな男だよ。金太郎バージョンかもしれないけど」
「そのような御仁はお見かけしておりません」


