神様修行はじめます! 其の四


ビックリしたあたしは引っくり返って、尻もちをついてしまう。


な、なにこれー!? なんで地面から急にロープが出てくんのー!?


―― スルスルスル


目の前のロープが、地面に開いた穴から天井に向かって伸びていく。


落ち着いて良く見れば、それはロープじゃなくて植物のツタだった。


常識外れに太いツタに掴まりながら、穴の底からせり上がってきた人物にあたしは再びビックリした。


セ・・・セ・・・


「セ、セバスチャンさんーー!?」


黒い燕尾服に身を包んだ美貌の青年が、無表情にストンと地面に降り立つ。


あたしはもう、目を丸くしてその姿を見上げるばかり。


「セバスチャン。君だったのか。意外と早く着いたな」


「お待たせいたしました。永久様」


仰天してるあたしをよそに、門川君とセバスチャンさんは普通に会話してる。


「な、なに? 門川君、セバスチャンさんが来ること知ってたの?」


「当然だろう。彼が岩さんを放置しておくはずがない」


「本当はもっと早急に、こちらに合流したかったのですが」


ニッコリ。

無表情だった彼が、凄みを感じるほど綺麗な顔で笑った。


「とあるお方々が、長老の宝船を失敬して、そのままトンズラしてしまいましたもので」


「あ・・・・・・」


「その後始末に、それはもう、非常に手こずってしまったものですから」


「・・・・・・・」


「お待たせして大変申し訳ございませんでした」


・・・・・・・・・・・・。


やべえ。