燃え尽きかけていた生命力が、腹の底からマグマのように噴出してくる。
凍った血潮がガンガン解凍されて、頭と全身を超特急でグルグル駆け巡った。
ああ! いま滅火の力が使えなくて本当に良かった!
でなきゃ今頃、暴走して世界をこの手で滅亡させてたかもしれない!
闇の帝王に変化してしまうところだった!
「み、醜くて、悪かったわねぇぇ!!」
そりゃ確かにあたしは全然美人じゃないよ!
えーえー確かにそれは事実ですよ! でも、いくら事実だからって・・・
いま!? いま言うの!? それを!
しかもそんな、ものっすごい、しみじみ納得した口調で言われちゃったら・・・
あたし、どーすりゃいいのよ!? ええ!?
「しかもしかも、本人目の前にして言うか普通!?」
「醜い。あぁ、なんて醜い・・・」
「連射して言うかお前ぇぇーー!!」
「なんて僕は、醜いのだろう・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
へ??
あたしは氷の地面をバシバシ叩いていた手を止めた。
言葉の意味が分からずに、キョトンと彼の顔を見上げる。
気がつけば、彼はあたしの目を見ながらも、あたしに話してはいなかった。
自分自身の心の中に語りかけているようだった。


