衝撃のあおりを食らって、せっかく起こした体が横っ飛びに吹っ飛ぶ。
床に倒れたあたしの全身に、雨あられのように大きな氷の塊が降りそそぐ。
かなりデカイ塊が頭にぶつかって、本気でこのままあの世行きかと思った。
(か、門川君! 門川君は大丈夫なの!?)
やっとで氷片の雨あられが収まり、恐る恐る目を開ける。
視線の先に、ぼうっと佇む門川君の姿を見つけ、あたしは心底ホッとした。
わずかに残った力を振り絞り、氷の床を這いずって接近する。
ううぅ、体に力が入らない。も、もう、限界・・・!
震える手を伸ばし、彼の袴の裾をグッと掴んだ。
「門川君! 門川君!」
繰り返し名前を呼んで、何度も彼の袴をぐぃぐぃ引っ張る。
なんとかして、彼の意識を力ずくでこっちへ引き戻さないと!
このままじゃ一人残らず全滅しちゃう!
「門川君、気付いて!」
でもどれほど裾を引っ張っても、彼の名を呼びかけても、彼は全く反応してくれない。
「気付いて門川君!」
「・・・・・・」
「お願いだから気付いて! 気付いて門川君!」
「・・・・・・」
「気付いて! 気付い・・・ だから、気付けって言ってるでしょさっきから!」
本気で腹が立ってきた。
このクソ寒い中、人が文字通り命がけで呼びかけてるってのに!
意識飛ばしてる場合じゃないわよ! なんとかしてよ!


