氷だから滑って簡単に移動できると思ったけど、これが大間違い。
服が氷に粘着するように貼り付いて、思ったように進んでくれない。
しかも・・・冷たい! 寒い! 辛い!
這っているから、体の前面が氷に密着して、もう泣きたいほど冷たいのなんのって!
冷たいというより痛いよ! ギリッギリに軋むほど体が痛いー!
もうダメ耐えられないー!
思わず体を浮かしかけたら、頭の上を氷柱がビュンッと掠めた。
ひぃーっと叫んでベタリと伏せる。
い、いま絶対、頭のテッペンの毛髪数本、もっていかれた!
うわあぁ! か、体を起こしたりしたら、その時点で即死する!
このままほふく前進するしかない!
寒さと恐怖に泣きながら、氷柱の槍の猛攻撃の下をズリズリと前進していく。
涙は外気に晒されて、即座に凍り付いた。
その間にも気温は加速度的に下がっていく。
寒いよぅ! 痛いよぅ! もう限界だよぉ!
―― ズリ・・・ズリ・・・
歯を食いしばって進んでも、身体機能が低下して体がうまく動かない。
空気を吸うと気管がキィンと凍り付いた。
氷と冷気のせいで、体内の臓器機能が低下している。
苦しい。くる、しい・・・。
あっという間に意識が朦朧としてきた。
見れば、氷の地面を必死に掻く指の色が変色している。
これ、凍傷ってヤツ? もう手足の感覚、無い。


