神様修行はじめます! 其の四


デコボコした不安定な地面を、バランスを崩しながら懸命に進んだ。


うお、うお、足が滑って転びそう!


「・・・・・・きゃっ!」


石と石の間に足を引っ掛けて、ドサッと前のめりに転んでしまった。


「里緒!? 大丈夫か!?」

「いってーー・・・」


うつぶせに倒れて呻くあたしのそばに、浄火が急いで戻ってきた。


そしてあたしを助け起こそうと手を差し伸べる。


何も考えずに、その手をつかもうとして・・・


「・・・・・・!」


あたしはバッと自分の手を引っ込めた。


この手をつかんだら、また能力を吸い取られる。


熱いヤカンにでも触れたような、そんなあたしの態度に浄火は息を飲んだ。


そして傷付いた表情で、唇をキュッと噛みしめる。


「・・・なんで手を引っ込めるんだよ?」

「な、なんでって・・・」

「なんでだよ?」


それは言わなくても、浄火だって分かってるじゃない。


なのに何で、あたしに言わせようとするの?


「言えよ。言えるだろ? オレに触れられない正しい理由があるのなら」


正しい理由。


責める様な浄火の言葉に、あたしはグッと詰まった。


理由はある。あるのに言えないのは・・・


あたしがその事に、罪悪感を持っているからだ。