虹色に輝く光の粒子が、ユラユラと一定の方向へ移動している。
おー、ほんとだ。だふんこれ川だね。
「この川に沿って進めば、きっとどこかへ出られるぞ」
浄火はそう言って移動を提案したけど、あたしは反対した。
遭難した場合は原則、その場から動かない方がいいんだよ。
「ここにいよう。未知の場所で歩き回ったら危険だし」
「そうは言っても、このままじゃ脱出できねえぞ?」
「大丈夫。門川君が助けに来てくれるから」
あたしの自信たっぷりな言葉に、浄火は黙り込んだ。
ピクリと眉間にシワを寄せて不快そうな表情になる。
「・・・こんな所まで、どうやって助けに来るってんだよ」
「門川君なら、こんなのわけ無いよ。今だって彼に助けてもらったじゃん」
「・・・・・・・・・・・・」
「彼は絶対に来てくれるから。心配しなくて大丈夫だよ、浄火」
浄火を安心させようと、あたしはニコニコ微笑んだ。
そんなあたしを浄火は黙って見ている。
その目が、なんだか少しキツくなったような気がして・・・あたしはようやく気が付いた。
あ・・・・・・し、しまった・・・。
可燃材料に、わざわざ着火してしまった・・・。
「いや、ほら、絹糸がさ、来てくれるから」
パンッと両手を打ち鳴らして、急いで言い直した。


