神様修行はじめます! 其の四


虹色に輝く光の粒子が、ユラユラと一定の方向へ移動している。


おー、ほんとだ。だふんこれ川だね。


「この川に沿って進めば、きっとどこかへ出られるぞ」


浄火はそう言って移動を提案したけど、あたしは反対した。


遭難した場合は原則、その場から動かない方がいいんだよ。


「ここにいよう。未知の場所で歩き回ったら危険だし」


「そうは言っても、このままじゃ脱出できねえぞ?」


「大丈夫。門川君が助けに来てくれるから」


あたしの自信たっぷりな言葉に、浄火は黙り込んだ。


ピクリと眉間にシワを寄せて不快そうな表情になる。


「・・・こんな所まで、どうやって助けに来るってんだよ」


「門川君なら、こんなのわけ無いよ。今だって彼に助けてもらったじゃん」


「・・・・・・・・・・・・」


「彼は絶対に来てくれるから。心配しなくて大丈夫だよ、浄火」


浄火を安心させようと、あたしはニコニコ微笑んだ。


そんなあたしを浄火は黙って見ている。


その目が、なんだか少しキツくなったような気がして・・・あたしはようやく気が付いた。


あ・・・・・・し、しまった・・・。


可燃材料に、わざわざ着火してしまった・・・。


「いや、ほら、絹糸がさ、来てくれるから」


パンッと両手を打ち鳴らして、急いで言い直した。