底に近づくにつれて、その光はどんどん大きく、範囲も広くなる。
それは魔の海のオーロラと同じ光りだった。
地の底にも海があるの? それとも地底湖?
疑問に思ってるうちに、ほどなくあたし達は地の底へとご到着。
合わせたように術の効果も無くなって、白い光は消え去ってしまった。
それでもオーロラの明かりのお蔭で、何とか視界は確保できる。
見れば、かなり巨大な天然洞窟のようだった。
広さ的には、権田原の地下道と同じくらいかな?
「里緒! 大丈夫か!? ケガはないか!?」
浄火が薄暗がりの中を駆け寄って来る。
「うん大丈夫。死ぬほど怖かったけど」
「まさか戌亥のやつが、本気でオレや長のばーちゃんを殺そうとするなんて・・・」
浄火は隠しようもないほど、大きなショックを受けている。
あたしも、まさかあいつがそこまでやるとは思わなくて油断したよ。
限界まで追い詰められて、精神が病んでしまったんだ。
・・・あいつの場合は、自分で自分をお菊人形から金太郎に追い込んじゃっただけだけど。
同情する気はないけど、もっと他に道はなかったのかな? とは、思う。
「ところでこれって海と同じ光りだよね? 地底湖?」
「というより、川みたいだな。海へ通じてるんじゃないか?」


