洞窟を抜け、あの壁画の仕掛け扉も抜けた。
そしてあの恐怖の板橋の前に、みんなで肩で息をしながら立つ。
う・・・またこれを渡るのか。もうこれで何往復め?
「天内君、早く進んでくれ」
浄火、長さんと続き、三番目のあたしがビビッてたら、後ろの門川君にせっつかれた。
「で、でもさ、一度にこの人数で渡ったら、重量オーバーのアラームが鳴ると思うんだけど」
「システムもないのに鳴るわけがないだろう」
いやそりゃまあ、鳴りゃしないだろうけどさぁ!
でも大事なのはそこじゃなくて・・・!
「急いでいるんだ。早くしたまえ」
さらに門川君にせっつかれて、あたしは渋々足を前に動かした。
うぅぅ、怖いよぉ・・・。どうか崩れませんように!
祈りながら渡り始めた途端・・・・・・
「この先へは行かせない!」
突然、洞窟内に声が反響した。
みんな驚いて顔を上げ、声の主を探してキョロキョロする。
「・・・・・・戌亥!?」
先頭の浄火が大声をあげ、前を見ている。
見れば、橋を渡った向こう側に戌亥が仁王立ちしていた。
その手に持っている物を見て、あたしはギョッとする。
ち・・・ちょっと? 戌亥さん?
あなたその大斧・・・何に使うつもりなんですか!?


