「子独楽は命だけは助かったものの、首輪をはめられ、父親の船に飼い殺しにされた」
長さんの言葉に、あたしは確信した。
やっぱりあの、子作りマシーンの宝船に乗っていたヘビ少女。
彼女が子独楽ちゃんだったんだ・・・。
そうと分かれば納得もいく。
元々は人間だったんだから、人間の浄火に恋をしても全然不思議じゃないよ。
それにしたって、自分の娘を術具に変えるって、どこまで人道無視な爬虫類!?
「そのうえあの男は、信子にも水を飲ませ、力を目覚めさせたのだ」
「娘を人質にして、母親まで己の操り人形にしたのですわね?」
「いっそ清々しいほど非道な男でおじゃる!」
「子独楽はもう、人としての記憶は無くしている。母の事も分からない」
・・・因業ババは、船の上でどんな気持ちだったろう。
自分が人間であった事すら忘れてしまった、哀れな娘を見ながら。
「その日からあの男は、自分に敵対する者を排除し始めた」
水の加減ひとつで、異形に変える事も、そのまま死に至らしめることも自由自在。
水の存在は誰にも知られていないのだから、怪しまれる事もない。
何年もの間、大手を振って堂々と邪魔者を殺戮しまくっているわけだ。
そしていずれは、この世界の全部を手中に収める気なんだろう。
・・・モロにジェノサイダーじゃん!
ケッ! さっすが地球外生命体だよ! まるっきりダースベーダーだ!