信子は、理解したのだ。


必死に救いを求めたところで、神などこの世に存在しないと。


嘘なのだ。


神など、神の一族など、まやかしだ。


ならば・・・・・・



消し去るのみ。



この世は持つ者と


持たざる者が存在して


持たざる者が虐げられる。


その悲劇を食い止めるには、持つ者を消すしかない。


持たざる者が生き抜くために、それ以外に道は無い。



常世。幽世。


それは永遠に変わらぬ、果ての果て。


・・・・・・変えよう。


生きるために。


常世を、現し世にするために。



私は


私は、おそらく



そのために、この世に生まれたのだろう・・・。