「・・・待て。となれば小娘、お前、もしや!?」
絹糸の言葉に、お岩さんが「あっ」と息を飲む。
みんなの不安な視線が、一気にあたしと浄火に注がれるのを感じて身を固くした。
誰とも目を合わせる事が出来ず、あたしは地面をじっと見つめている。
特に門川君の視線が、怖くて・・・
「天内君」
真剣な声で話しかけられて、あたしはビクッと震えた。
「君、もしや神の一族の能力が・・・?」
・・・・・・・・・・・・。
あたしは言うべき言葉を見失い、無言でうなづいた。
周囲の空気がザッと緊張し、張りつめる。
・・・そうだ。あたしの力は浄火によって奪われているんだ。
術失敗の連続は、単なる不調によるものじゃなかった。
恐らくこれは、子作りマシーンと因業ババの策略。
急に降って湧いた結婚話は、これが目的だったんだ。
あたしから力をもぎ取るために・・・・・・。
あたしはギュッと眉を寄せ、歯を食いしばった。
読めなかった。
気付けなかった。
因業ババの張り巡らした計略に。
また、ババの糸に絡めとられてしまった。
自分が狙われているのは、充分に分かっていたのに。


