神様修行はじめます! 其の四


「別離? なんで別れなきゃならないの?」


「力ある者は、ここでは『よそ者』なのだ。もしこの事が漏れたら、この島では生きていけない」


あ・・・そ、そうか。


島民のよそ者に対する嫌悪感の凄まじさは、あたし達も身をもって知ってる。


子独楽ちゃんは、もう常世島には住めなくなっちゃったんだ。


「信子は我が子を手放す以外、選択は無かった」


力に目覚めた子独楽を、父親は喜んで引き取った。


何しろ相手は、子どもの数は多ければ多いほど良いのだから。


それに恐らく、この奇跡の裏には何かがあると感づいていたのだろう。


それを探り出そうという、腹に一物もあったに違いない。


子独楽は深夜、密かに父親の一族の船で島を後にした。


私と信子以外は、誰ひとり見送る者もなく。


子独楽は嫌がり、最後まで暴れて抵抗し続けた。


『いやだ! いやだ! おかあさん、あたしを捨てちゃいやだぁ!』


まだ、ほんの七つ。


我が身に起こった詳しい事情を、理解のできるはずもない。