あたしとお岩さんと浄火が、視線を合わせ合う。
口には出さなくても、お互い考えている事はすぐに分かった。
ひとりの少女の姿が脳裏に浮かぶ。
長く美しい黒髪。可憐な赤い唇。
パッチリとした大きな目の、華やかで現代的な美貌。
そして・・・・・・ヘビの尾。
「子独楽の父親は、ヘビ憑きの一族の当主だ。その能力ゆえに、この島を管轄してきた」
常世島を管轄する一族の当主!?
あたしは思わず叫んだ。
「じゃあやっぱりその父親って、子作りマシーンだ!」
長さんが首を傾げて怪訝な顔をする。
「・・・なんだ? 子作り増し?」
「あのスケベじじいでしょ!? やたら子作りに執着してる、超キモじじいだよ!」
「ヘビは古来から生命力と多産の象徴だ。だからあの一族は、子孫を増やすことに異様なまでに執着する」
やっぱりそうだったんだ! あの卑劣じじいめ!
そのくせ、能力を継げない因業ババの生んだ子は、ゴミみたいにポイ捨てしやがったんだな!?
やっぱりニョロ長系って、地上で一番最っ低な生物だな!
・・・あ、主さんとジュリエッタ達は別だけど。
「神の力に目覚める。それはすなわち、母子の別離を意味していた」


