神様修行はじめます! 其の四


あたしとお岩さんと浄火が、視線を合わせ合う。


口には出さなくても、お互い考えている事はすぐに分かった。


ひとりの少女の姿が脳裏に浮かぶ。


長く美しい黒髪。可憐な赤い唇。


パッチリとした大きな目の、華やかで現代的な美貌。


そして・・・・・・ヘビの尾。


「子独楽の父親は、ヘビ憑きの一族の当主だ。その能力ゆえに、この島を管轄してきた」


常世島を管轄する一族の当主!?


あたしは思わず叫んだ。


「じゃあやっぱりその父親って、子作りマシーンだ!」


長さんが首を傾げて怪訝な顔をする。


「・・・なんだ? 子作り増し?」


「あのスケベじじいでしょ!? やたら子作りに執着してる、超キモじじいだよ!」


「ヘビは古来から生命力と多産の象徴だ。だからあの一族は、子孫を増やすことに異様なまでに執着する」


やっぱりそうだったんだ! あの卑劣じじいめ!


そのくせ、能力を継げない因業ババの生んだ子は、ゴミみたいにポイ捨てしやがったんだな!?


やっぱりニョロ長系って、地上で一番最っ低な生物だな! 


・・・あ、主さんとジュリエッタ達は別だけど。


「神の力に目覚める。それはすなわち、母子の別離を意味していた」