神様修行はじめます! 其の四


もはや手の打ちようが無いのは、ひと目で分かった。


信子はもう、死んでいく我が子を目の前にして発狂せんばかり。


『子独楽(こごま)! 子独楽ーーー!』


半狂乱で泣きわめき、そして死にもの狂いで神に祈った。


『神よ! どうか娘をお助け下さい!』


ほとばしる玉のような大きな涙が、ボタボタと零れる。


血まみれの我が子を何かから守るように、必死に覆い被さり、掻き抱いた。


『子独楽を助けてえぇぇーー!』


血を吐く絶叫。


全てを奪われ、踏みにじられ、それでも、ひたむきに生きてきた。


そんな女に最後の最後、たったひとつだけ残ってくれた・・・・・・


小さな、確かな命。


それすらも今、無情に奪われていく残酷な現実。


抗う事も出来ずに、泣き狂うしかできない母の無力。


それは、この島の全ての女の姿。


その女達の悲しみを慰め、力になり、支え続けてくれた信子までも、今・・・。


無情の定めに落ちていく。


私は、私は・・・・・・。