神様修行はじめます! 其の四


「飲んだのか!?」

「飲みましたの!?」

「飲んだでおじゃるか!?」

「飲んじまったのかい!?」

「うああ!?」


顔色を変えて問い詰める皆に、浄火は青ざめたままうなづいた。


「以前、長のばーちゃんに勧められて、飲んだ。間違いなくこの水だ」


そんな・・・!

浄火、異形を飲み込んじゃったってことなの!?


あたしは血相変えて絹糸を見た。


「だ、大丈夫だよね!? 命に別状はないよね!?」


だって! そう、ほら! マンモス!


死にかけたマンモスが、今にもスキップしそうなくらい元気に復活してたじゃん!?


だからこれって、滋養強壮剤みたいなもんなんでしょ!? 


「オロナミンCみたいなもんでしょ!?」


ひどく難しい顔をした絹糸が、泉の水を睨みながら答える。


「おそらくこれは、寄生タイプの異形じゃな」


「き、寄生・・・?」


「他者の体内に入り込み、生きる。宿主はこの異形から、力や生命力を得るのじゃろう」


「じゃあマンモスが元気になったのは、異形に寄生されたから?」


「うむ。正しくは寄生というより、共生じゃろうな」


共生・・・。お互いが利益を受けながら、生きていくこと。


奇跡でもなんでもないじゃん。それ。