「飲んだのか!?」
「飲みましたの!?」
「飲んだでおじゃるか!?」
「飲んじまったのかい!?」
「うああ!?」
顔色を変えて問い詰める皆に、浄火は青ざめたままうなづいた。
「以前、長のばーちゃんに勧められて、飲んだ。間違いなくこの水だ」
そんな・・・!
浄火、異形を飲み込んじゃったってことなの!?
あたしは血相変えて絹糸を見た。
「だ、大丈夫だよね!? 命に別状はないよね!?」
だって! そう、ほら! マンモス!
死にかけたマンモスが、今にもスキップしそうなくらい元気に復活してたじゃん!?
だからこれって、滋養強壮剤みたいなもんなんでしょ!?
「オロナミンCみたいなもんでしょ!?」
ひどく難しい顔をした絹糸が、泉の水を睨みながら答える。
「おそらくこれは、寄生タイプの異形じゃな」
「き、寄生・・・?」
「他者の体内に入り込み、生きる。宿主はこの異形から、力や生命力を得るのじゃろう」
「じゃあマンモスが元気になったのは、異形に寄生されたから?」
「うむ。正しくは寄生というより、共生じゃろうな」
共生・・・。お互いが利益を受けながら、生きていくこと。
奇跡でもなんでもないじゃん。それ。


