「お前たち、何者だ!? 断わりも無くこんな所まで入り込むなど、無礼であろう!」
威厳を取りつくろうように、長さんが厳しい声を出した。
「ここから立ち去れ! 今すぐに!」
「長のばーちゃん、こいつらは門川から来た連中だ」
「門・・・・・・!?」
もはや、声も出ない。
そんな様子で、長さんは目に見えてオロオロし始めた。
『やましい事、あります』って首から看板ぶら下げてるようなもの。
いったい何だっていうんだろ。やっぱり水と関係があるのかな?
―― ウニュ・・・
ん? なんだ?
視界の端で、何かが蠢いたような気がした。
さっき長さんが零した乳白色の水が、土に吸い込まれることなくその場に溜まっている。
白い色水っていうよりも、小麦粉の分量間違えちゃったシチューみたいだな。
―― ウニュ・・・グニュ・・・
・・・・・・え? あれ?
あたしはキョトンとして、目を細めながらもう一度よく見直した。
今なんかこのシチュー、動いたような・・・?
―― グニュグニュグニュ!
・・・ぎょえぇ!? やっぱり動いたー!


