神様修行はじめます! 其の四


あの水、どうするつもりなんだろう?


歴代の長が、ずっと奇跡の水を独り占めしてたってこと?


でもその表情はひどく鬱々として、とても「独り占めウフフ」な様子には見えない。


水を汲み終えた長さんは、ツボを大事そうに胸に抱きかかえた。


うつむきながら、そそくさと急ぎ足でこっちに向かって歩いて来る。


なんか・・・・・・様子が変。


「長」

「ひっ!?」


浄火が長さんに向かって声をかけた。


よほど驚いたのか、長さんの体が文字通り飛び上がる。


―― ガシャーーン!


その拍子に、彼女は手にしていたツボを落としてしまった。


「・・・あぁ!」


地面に零れた水と、あたし達を交互に見る顔は激しく引き攣っていた。


「じ、浄火! お前たち! な、なぜここに!?」


「長が仕掛け扉に入る所を偶然見たんだよ」


「なんと、おぉ、そんな・・・!」


長さんは滑稽なほど狼狽している。


秘密を知られて恥ずかしいのかもしれないけど、なにもそこまでショック受けなくても。