死ぬどころか、ピッチピチに復活を果たして、サッサと立ち去ってるんですけど!?
「誰よ! ここが象の墓場だなんて言ったのは!」
「君だろう」
「水飲んだ途端に、奇跡の復活ってアリ!? あの水ってルルドの泉なの!?」
マンモスが存在してるってだけで奇跡なのに、和製版ルルドの泉まで?
常世島って、実はなんなの? 巡礼地?
それはともかく、あの水はこの目で見てちゃんと確認しなきゃ。
「みんな、あの水を見に行・・・」
―― スッ・・・
あたし達よりも先に、岩陰から泉に近づく人影が見えた。
天女の衣装のようにヒラリと揺らめく長い裾。小柄な、総白髪の老女。
あ、長さんだ! 無事だったんだ!
長さんは、まさか自分以外の誰かがここにいるなんて、夢にも思っていないんだろう。
彼女は躊躇なく泉に近づき、身を屈める。
そして、手に持った小さなツボに水を汲み始めた。
・・・・・・なにしてるんだろう?
いや、水汲んでるってのは、見りゃ分かるけどさ。


