足を折り曲げ、フラフラしながら何とか一回、水を口に含む。
二回・・・・・・三回・・・・・・。
その行為で、もう力尽きたのか。
ついにその場にドサリと身を横たえる。
そして全く身動きしなくなってしまった。
・・・・・・あぁ、そうか。
ここはマンモスの水飲み場だったんだ。
マンモスたちは最期に、ノドの渇きを癒すためにここに集まる。
そして皆、力尽きて死んでいった。やっぱりここは墓場なんだよ。
ここは命を看取る泉。神聖な場所だ。
あたしは目の前の燃え尽きる命を、敬虔な気持ちで静かに見守っていた。
・・・・・・・・・・・・
―― ヒョイッ!
死ぬ寸前だったマンモスが、やおら元気に立ち上がった。
・・・・・・へ?
そして勢いよく鼻を振り回し、生き生きとした鳴き声を上げ始める。
・・・・・・は? え?
あたしは目の前の光景に呆気にとられてしまった。
さっきまでとは大違いの、やたらピンシャンした足腰でマンモスは軽快に歩き出す。
高らかに鳴き声を上げながら、活力漲る様子で立ち去って行ってしまった。
・・・・・・・・・・・・。
はあぁぁぁーーー!?
なに!? ちょっとあんた、死ぬんじゃなかったの!?


