「ここは危ない! どこだ!? 長のばーちゃん!」
「浄火! あんたこそ勝手に動き回ったら危ないよ!」
先頭切って走り出す浄火の後を、みんな慌てて追った。
大きな白骨や、ミイラや、生々しい死骸が大量に横たわる岩場は見通しが悪い。
ゴツゴツした地面は、すごく走り難くて転びそうだし。
そもそも、ここが何なのか、長さんが何しに来たのかも分かんないし。
膨れ上がる疑問を考える余裕もなく、あたしは夢中で走った。
「ばーちゃん! ばーちゃ・・・」
とつぜん浄火の足がピタッと止まった。
そして気後れしたような顔で、じっと前方を見ている。
ど、どうかしたの? 長さん、見つけたの?
息を切らして浄火の隣に立ったあたしも、あっと驚いた。
・・・・・・マンモスだ!
前方にマンモス一頭、発見! しかも瀕死の状態!
今にもその場に倒れそうな、毛並みの薄汚れたボロボロのマンモスがいた。
力無くヨロけた足元には、見れば小さな泉が湧いている。
地からコンコンと湧き出る水は、やっぱり乳白色をしていた。
長い鼻を泉に差し入れ、マンモスはその水をすくって飲もうとしている。


