「か、門川君?」 「・・・・・・・・・・・・」 「門川君? 門川君?」 何度声をかけても、応答なし。 あたしは慌てて彼の目の前で、片手をヒラヒラ動かした。 それでも宙を見ている目は完全に虚ろで、何も見えてないらしい。 なんかもう、生存そのものが危ぶまれるレベルの意識喪失。 「門川君! しっかりして! 門川永久くーん!」 「・・・・・・・・・・・・」 「もしもーし門川君! そっちの世界から戻って来て! もしもぉーし!」 どんなに呼びかけても、手応えも返答も無し。