神様修行はじめます! 其の四


「僕は・・・・・・」


門川君の美しい顔が珍しく歪んでいる。


そしてこれまた珍しく、強い口調で吐き捨てた。


「僕は、彼が嫌いだ!」


「・・・・・・へ?」


「嫌いだ! 不愉快だ! 彼の存在は、実に鬱陶しい!」


「・・・・・・・・・・・・」


全員、ポッカーンと門川君を眺めている。


口の中の苦虫でも吐き捨てるような、荒々しい表情を。


なに? この露骨な態度は。


これが本当にあの、氷のように冷静沈着な門川永久? 


ほ、本人だよね? まさかこの人、レプリカじゃないよね?


「むろん、僕は立場上、個人的感情に囚われるわけにはいかない。だが・・・」


「・・・・・・・・・・・・」


「彼はあまりにも、頑迷で、偏屈で、狭量で・・・」


「・・・・・・・・・・・・」


「しかも、決定的に常識が無い!」


うわ。

門川君、それ全部、自分で言ってて恥ずかしくないのかな?


「自分で言うのもなんだが、この僕にここまで言われるなど、彼の人格には明らかに問題があると思う!」


あ、一応、自覚はあるんだ。