「浄火君、君は・・・・・・」
「あー? なんだよぉー?」
「非常に、人間が小さいな」
「あああぁっ!?」
男ふたりの間にバチッ!っと火花が散った。
「オレのどこが、ちっせえんだよ! お前こそ思いっ切り人の神経えぐる発言しやがって!」
「真に自分に自信を持つ者は、他人の発言など気にしない」
「お前は他人の全てを気にしなさ過ぎなんだよ!」
ワナワナ震える浄火を、門川君は冷め切った白い目で眺めている。
そしてメガネのブリッジ部分を指で押し上げ、これ見よがしに大きな溜め息をついた。
そして大げさに肩をすくめて『やれやれ』と首を振る。
そのタイミング。仕草。表情。
もう、まさにムカつく態度の理想形。パーフェクト。
これぞ門川永久の真骨頂だ。
高まるだけ高まった所をブスッとひと突きされて、浄火はキレた。
「この・・・・・・!」
「これこれ、およしよ。あんたが先に吹っかけたケンカじゃないか」
主さんが呆れた声で仲裁に入った。


