神様修行はじめます! 其の四


「とにかく、そういう事情なんだよ」


「おそらくこの島に、何らかの要因があるはずじゃ。それを探り出さねばならぬ」


「浄火殿、ぜひ、ぜひお力添えをお願いいたしまする!」


すがり付くような目で懇願するマロさんに、浄火は力強くうなづいた。


「分かった。オレも協力するぜ」


「おお、本当におじゃりますか!?」


「ああ。島の問題でもあるからな。当然のことさ」


「あ、ありがとうおじゃりまする! 感謝いたしまする!」


「あんたの奥さん、きっと助けようぜ」


うぅっとすすり泣くマロさんの肩を、浄火はポンポン叩いて笑顔で励ます。


浄火、顔では元気に笑ってるけど・・・・・・。


やっぱり結局、島に生まれた希望は嘘っぱちだった。


それどころかこんな風に島の中を引っ掻き回されて、心の中は複雑だろうに。


なのに不安も不満もおくびにも出さずに、明るく振る舞うなんて。


大人なんだな。浄火って・・・。


「じゃあ、ひとまず皆で村へ戻ろうぜ。案内する」


「そうか。それではよろしく頼む。浄火君」


「・・・あ? オレはお前も連れて行くとは、ひとっ言も言ってねーけどぉー?」


「・・・・・・・・・・・・」


「人の嫁に手を出すようなヤツを家に入れて、何か盗まれでもしたら大変だしなぁー」


・・・・・・・・・・・・。


子どもなんだな。浄火って・・・。