あたしは絹糸を見た。
絹糸が、何とも言い難い表情であたしの疑問に答えてくれる。
「小僧を永久の自室に閉じ込めておるのじゃ」
「と、閉じ込め・・・・・・?」
「室内から思い切り冷気を放出させて、誰も部屋に近づけぬようにしておるのじゃよ」
「・・・・・・・・・・・・」
「お蔭で、誰も永久が消えたことには気づいておらぬ」
「ね、ねえ、それって大丈夫なの?」
思わず心配になるあたしに、門川君は平然と答える。
「大丈夫だ。いっときも休まずに冷気を放出しているから、ばれる心配は無い」
「いや、そうじゃなくて。凍雨君の体が大丈夫なのか? って聞いてるんだけど。あたし」
「心配ない。あの程度の冷気なら、一睡もせずに四~五日ぶっ通しで放出し続けても負担は無いさ」
「・・・・・・・・・・・・」
あたしは再び、絹糸を見た。
絹糸は、ものすごーく複雑そうな顔であたしに訴えている。
・・・・・・うん。分かった。
一刻も早く解決して戻らないと、凍雨君の命にかかわるんだね?
・・・・・・はぁ、全く門川君たら、もう。
いくら他に方法がないからって。
自分の力を基準にして物を考えるなって、何度も言ってるのに。
待ってて凍雨君! すぐに解決して救出に駆けつけるからね!


