神様修行はじめます! 其の四


「権田原は問題ない。だが・・・・・・」


「塔子が、体調を崩して臥せってしもうた」


「えぇ!? 塔子さんが!? だ、大丈夫なの!?」


仰天するあたし達に、マロさんが神妙な面持ちで答える。


「やはり、能力が発動できぬようでおじゃる。当人は気丈に振る舞っておじゃるが」


「そんな・・・・・・!」


「心配ないから、里緒殿たちには何も言うな、と言われてきたのでおじゃるよ・・・」


マロさんの沈痛な様子に、逆に事態は相当深刻なんだとすぐ察しがついた。


塔子さんから能力が消え去るなんて!


彼女にとって怒涛の一族の能力は、何よりも誇りなのに!


もしこのまま回復できなかったら・・・!


「事は一刻を争う。だから僕達がこの島へ来たんだよ」


「よ、よく許してくれたね? あの門川上層部が、門川君の外出を。いったいどんな手を使って説得したの?」


感心しながら言うあたしに、門川君がしれっと返す。


「あの連中がそんな事を許すわけがないだろう」


「・・・・・・へ?」


「許可は得ていないよ。僕は今でも、門川本邸にいる事になっている」


「・・・・・・は?」


「影武者だよ。凍雨君に、僕のふりをしてもらっているんだ」


「・・・・・・・・・・・・」