「それがなんだっつーんだよ! ええ!?」


浄火は顔を真っ赤にして怒鳴りつけた。


「オレをバカにするなんざ、いい度胸してんじゃねえか! お前気に入ったぜ!」


「いや、それほどでもないが・・・どうもありがとう」


「こ、こんのヤ・・・!」


「じょ、浄火浄火!」


あたしは大慌てで、門川君の胸倉に伸びた浄火の手を押さえる。


「誤解だよ! 彼は別にあんたの事、バカにしてるわけじゃないから!」


「じゃ、コケにしてんのかよ!?」


「そういう次元の問題じゃないの!」


素なの! これ、彼の素!


「門川君ってすごくナチュラルに、人の神経を逆撫でしちゃう人間なの!」


「なんだよその器用で最低な人格は!」


「だから、ダーウィンの進化論! 周囲の環境に応じて、自然とこうなっちゃっただけよ!」


「わけ分かんねえ!」


「君達、さっきから何を言っているのだ?」


門川君は眉間にシワを寄せ、あたしと浄火の顔を交互に見ている。


そして言い聞かせるように注意した。


「わけの分からない会話をするのはやめたまえ。周囲を不愉快にしてどうする」


「お前がな!!!」