なじみ深い、冷たくて優しい感触。


彼の皮膚があたしの皮膚に触れて、胸の奥がトクンとざわめく。


「ずいぶん腫れているな。痛かったろう?」


「・・・うん」


「君は本当に、いつもムチャばかりしてくれる」


「門川君」


「なんだ?」


「ごめんなさい」


―― ポウ・・・


彼の手を中心に、白く穏やかな光があたしの足首を包む。


感情の読めない美しい顔が、輝きに照らされて影を生んだ。


白と黒がもたらす、深い陰影。


その夢まぼろしのような麗しさに、あたしの心は洗われたように素直になっていった。


「何を謝っている?」


「反対を押し切って、勝手にこの島へ来ちゃってごめんなさい」


「それなら、謝罪には及ばない」


「でもそのせいで大変な事になっちゃって、あたし・・・」


「謝らなくていいんだ」


「でも」


「よせ。君が謝ったら、岩さんの立場がないだろう」


「あ・・・・・・」