「それが永久の成すべき事じゃ」
母親の嗚咽は高まり、号泣になる。
聞く者の胸が引き千切られるような、悲しい声で泣き続けた。
やがて、門川君を殴りつける勢いも消え去って・・・
ついに母親は、彼の胸にすがり付いた。
泣き叫ぶ声に、門川君は繰り返す。
「済まない。ごめんよ。ごめん・・・」
「わあぁぁ! う、わあぁぁーーー!!」
母親は門川君の背中に手を回し、必死にしがみ付く。
溺れた者が命綱を求めるように。
ギリギリの場所で悶え、神に救済を望む・・・
罪びとのように。
ああ
どうか どうか
だれか
この 身を灼く荊棘の責めを
この 耐えがたい喪失を
この 血を吐く地獄の苦しみを ・・・
ああぁぁぁ・・・
どうか ・・・・・・!!!
門川君は、子どもの体ごと母親を強く抱きしめた。
母親の両目が破れるほどに見開かれ
笛のようにノドを鳴らして大きく息を吸い
震え・・・
そして・・・・・・
「お・・おおぉぉぉーーーー・・・・・・!」
母親は 天を仰いで慟哭し
・・・・・・救いを、その手に・・・・・・。


