じゃあ、なぜこの子は死んだ?
その理由は? 理由は・・・・・・
・・・・・・・・・・・・。
この子自身の、せい?
海岸には近づくなと、あれほど何度も言い聞かせたのに。
聞かなかった。
親のいいつけを守らなかった、この子が悪いの?
自分の責任でこの子は死んだ? 自業自得?
そんな事があるはずがない! 絶対にこの子の責任じゃない!
・・・・・・なら・・・・・・
この世で最も愛しい、この子の・・・
この、非業の死の責任は全て・・・・・・。
「それではあまりに哀れ。だからこそ、永久が受けるのじゃ」
辛すぎて、苦しすぎて、悲しすぎて。
誰かを責めなければ、とても生きてはいけない。
だから永久がそれを受け止める。
母親は、永久には罪など無いことを充分知りながら、責める。
そして・・・・・・
救われる。
やり場のない自責と苦悩と苦痛を、受け止めてくれる者の存在を知り。
これから自分が生きていく事を、ようやく許すことができる。


