神様修行はじめます! 其の四


あたしは首を横に振った。


余計なまねなんかじゃないよ。


だって門川君が謝る理由なんてそれこそ、どこにもないじゃん。


「彼が責められるなんて、どう考えても間違ってるよ」


「そんな事は百も承知じゃ。永久も、あの母親ですらも」


「だったら・・・・・・」


「だからこそ、じゃ」


・・・・・・・・・・・・。


だからこそ? 


それ、どういう意味?


あたしの心の疑問に絹糸が答えた。


「ここにいる誰も、責められる筋合いなどない。だから・・・」


「だから?」


「だからあの母御は誰ひとり、責めることができぬのじゃ」


「・・・・・・・・・・・・」


「大切な我が子が突然死んだというのに、誰も責められぬ。となれば母は・・・自分を責める」


「あ・・・・・・」


「母とは、そういうものじゃ」


何の罪もない我が子が死んだ。


誰のせい? 誰が悪い? 


・・・・・・誰も、悪くはないという。