神様修行はじめます! 其の四


「ごめんよ」


門川君が繰り返し、謝罪の言葉を子どもに告げる。


母親が真っ赤な目で門川君を睨んだ。


そして、コブシで彼の胸をドンッと殴りつける。


「ごめんよ」

―― ドンッ・・・


「ごめんよ」

―― ドンッ・・・


「ごめんよ」

―― ドンッ・・・


繰り返される謝罪。


繰り返される殴打。


流れ続ける涙。ヒィヒィと漏れる嗚咽。


歯を食いしばって母親は門川君の胸を殴り続け、責めたてる。


(違う・・・違うよ)


あたしは矢も楯もたまらず、ふたりの元へ近づこうとした。


そして足首に激痛が走り、その場にドサリと倒れ込んでしまう。


・・・忘れてた。そういやあたし捻挫してたんだっけ。


「こりゃ小娘、何をしておる」


呻きながら足首を押さえるあたしの元へ、絹糸が近づいてきて座り込んだ。


「何してるって・・・捻挫してるの」


「そんな事を言っているのではない。余計なまねをするな、と言うておるのじゃ」