神様修行はじめます! 其の四


シン・・・と、静まり返る空気の中で、あたしは思い出していた。


あの時、自分で言った言葉。


覚えてる。とにかく端境の人たちに腹を立てて、怒鳴り散らしてたっけ。


・・・・・・麻呂さんも聞いていたんだ。


雛型の事件の時。


世界は、最悪の事態だけは何とか免れたけど。


さすがに無傷とまではいかなかった。


門川をはじめ、各一族に犠牲が出たのは事実。


その事について、マロさんがずっと心の中で自分を責めて悔やみ続けているのは・・・あたしも知ってた。


必要以上に自分自身を卑下した事が、あの惨劇と犠牲を招いてしまった。


マロさんはそう思っている。


そして今、あの時と似通ったこの状況を警告しているんだ。


自分の中の負い目や引け目でいっぱいで、道理の見えない真っ暗なまま前に進もうとすれば・・・


必ず、悲劇が起きるって。


・・・・・・・・・・・・。


ここであたし達の誰かが犠牲になったりしたら、当然、向こう側では大問題になる。


門川当主の従者に死者でも出たら、上層部も黙っているわけにはいかない。


常世島は、ただでは済まされないだろう。